ロードスター・レストアプロジェクト備忘録

ロードスター・レストアプロジェクト備忘録

2018年に、ついに開始したユーノスロードスターのレストアプロジェクト。その前年である2017年10月15日に開催された東北ミーティングにおきましてクラシックレッドのNAロードスターが展示されました。その際に、エンジニアの方とトークショー(主に質疑応答)が行われました。

素晴らしいプロジェクトであると同時に、色々と情報が錯綜しているのも事実。そこで、非公式かもしれませんが、アナウンスされた部分を書き出していきます。重要っぽい所をフォローしてみました。

車両価格について


展示車両は価格にすると600万円かかっている。しかし、このクルマは事故車だったので、板金塗装も含めた人件費も含めた価格。テストケースのために中古で購入したこのNAロードスターはリアフェンダーがパテ盛りしてあって、購入後にマツダ社内でバラして判明した。パテは全て除去し、マツダE&Tの板金職人が叩いて修正している。

実際このクルマのレストアを始めた際、4割のパーツは欠品扱いだった。しかし、他車流用部品も含め再調査をおこない、パーツ番号を振りなおしてNAのパーツはほぼフォローできる状態になっている。それが可能になったのは、NBでアップデートされたパーツを流用するものも含める。従って、一部パーツはNB用を使うことになる。パーツ単位で価格をつけると総額690万円になる。

したがってレストアは、この前提をもって車両持ち込みをいただき、690万から価格が下がっていくイメージ。

ただし、まだ確定できていないのがメインハーネス。これはケーブルだけでなくカプラーまで見なければならないので、旧規格であったり、車体側のカプラーが経年劣化でダメになっている可能性がある。現状だととてつもないコストがかかるので手をつけられていない。

レトロフィット

NB用にアップデートしているパーツは、メーカーの判断としてそのまま使用する。例えば足回りはアーム等含め7割がNBの剛性強化されたパーツになる。これは新規で作り直すコストを鑑みた上での判断。ただしジオメトリー等のセッティングはNAのままで行くので乗り味はNAロードスターになる。サスクロス(メンバー)まで変えちゃうと違うけれど、そこまではやらないのでNBのパーツであることはほぼわからないと思う。

SF325も以前のグリップしないタイヤではなく、現代の基準でアップデートしてある。したがっていきなりズリっと行くのではなく滑り出しなどが味わえる、現代風の味付けになっている。

レストア車両のクラシックレッドはNDのものと同じ顔料。ただし、塗装はマツダのラインで行うわけでないのでアクアティック(水性)塗料ではなく、旧来どおりの塗料に経年劣化対策でクリアコートを施している。塗料は現代基準の進化したものを使っている。

パーツ共有に関して


パーツ自体はレストア専用ではなく、ディーラーでも注文が可能になる予定。レストアの価格は年内に発表予定で、正規価格はちょっと高額と感じるかもしれない。

しかし、マツダはこの事業でショップのマーケットを奪う気はない。マツダで200万かかるものをショップだったら6掛けの120万で出来るとなってくるかもしれない。メーカー保証をとるのか、信頼するショップに任せるのかはユーザーが選べばいいと考えている。

目標台数に関して

作業は現時点ではマツダE&Tで行う予定。1台あたり1.5~2ヶ月、先ずは肩慣らし期間も欲しいので年間5~10台できればいいと考えている。クルマの状態を見て作業を行うので、事故車やサビがひどい等コンディションの厳しい車両は引き受けられない可能性がある。フォローできるのは標準車やVスペシャルなどカタログモデルを行う。

ベンツやジャガー、NSXなどレストア事業(オールドタイマー)を行うメーカーはあれどもロードスターはあくまで量産車。高級車とは違うので利益追求型のレストアは成立しないと考えている。

この企画はロードスターを長く愛して頂いた感謝と、古くても良い車を楽しめる日本のクルマ文化をマツダが火付け役として作っていきたいという想いがある。したがって商売色を濃くしてしまうとマーケティングが入って「継続」が厳しくなるので、まずは成功事例を作っていく必要がある。

数百万かけてレストアをする方は年間に数人ずつしかいないと思うが、直ぐはできなくてもレストアを見越して貯蓄して、継続した注文を入れてもらえることを想定している。

これを続けるためには純正部品の供給が必要で、このチャレンジはマツダのクルマを末永く楽しんでもらうための覚悟でもある。ひいては日本のクルマ文化に貢献していきたい。NBもNCも、そしてNDのレストアもトライアルの成功如何にかかっている。

以上です。

まとめ


個人的に気になったのは、新車時点のNAロードスターの「乗り味」を知らないので、オリジナルのタイヤなりハンドリングなりを想像できず、実際に「走ってみなければ分からんな・・・」という感想もありました。

また、あくまでミーティング上での話なので公式発表ではありません。ただ、ひとつの指標としてはとても面白い話でした。何より、現時点で(ハーネス以外の)ほとんどのパーツ供給が可能という話は、NBロードスターの存続に通ずるものがあり、覚悟があれば「走る」事が出来るというのは未来を感じることができました!

関連情報:

NBでレストアされたNAロードスター(リフレッシュビークル)

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