NBでレストアされたNAロードスター(リフレッシュビークル)

NBでレストアされたNAロードスター(リフレッシュビークル)

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今回はマツダが行っている「ロードスターレストアプロジェクト」のルーツになる話です。単なるレストアではなく、チューニングまで施した中古車をメーカークオリティで提供した「マツダスピード・リフレッシュビークル」というものが、かつて存在しました。

マツダは2003年の東京オートサロンにて、バリエーションに富むラインナップを展示しました。後のロードスタークーペになる「RSクーペ」や、デビュー目前の「RX-8」マツダスピードバージョン、アテンザ、デミオAスペックなどです。

その中でも異彩を放っていたのが、見た目ノーマルの「NA(初代)ロードスター」。これが限定30台で市販された、通称「マツダスピード・リフレッシュビークル」です。

リフレッシュビークルとは


ざっくり説明しますと、NBロードスターのパーツを中心にモデファイしたNAロードスターです。ロードスター乗りならばご存知の通り、NAとNBでは多くのパーツに互換性があります。NBロードスターはNA由来のN型プラットフォームをキャリーオ-バーした関係もありますが、NAロードスターのアップデートをユーザー自身も行えることを意図していたこともあります。

そこで、程度のいい初期型(1600cc)NAロードスターの中古車を発掘し、見た目だけでなくメカ(中身)も含めて当時の技術で復活させ、マツダ(E&T)で自ら販売する企画でした。

補足として、かつて「マツダスピード」は独立した法人でしたが、1999年にマツダ本社へ統合され再出発した経緯があります。その後の「マツダスピード」製品はマツダE&T社が製造しており、福祉車両や特殊車両の架装も行うことからマツダスピードロードスター(NB8C)、マツダスピードファミリア(BJ5P改)、ロードスタークーペ(NB7)、RX-8マツダスピードバージョン(SE3P改)などもE&T社で製作されています。

そして、リフレッシュビークルはふたつのバージョンが存在していました。

二種類のリフレッシュビークル


MAZDASPEED Ver1(限定5台) 143万円~
1600ccのB6エンジンをオーバーホール、ヘッドカバーはバフ掛けに。フィルタ類、ベルト類も新品に交換されています。エンジンルーム内にはマツダスピードのプレートが。マフラーは純正、メーターももちろん新品交換になります。緑色のマツダスピード・プラグコードが懐かしい!


MAZDASPEED Ver2(限定25台) 178万円~
こちらのエンジンはピストン、フライホイール、カムの入ったチューニングエンジン。マフラーやセミバケットシートもマツダスピード製で、こちらもメーターは新品交換になります。

レストアメニュー(142品目)


NBロードスターの補強パーツとして、フロアーパンにNBガゼットを追加溶接しました。これが効くおかげでNBロードスターはリアパフォーマンスバーが廃止され、エアロボードに変更されました。


フロントにはマツダスピード謹製のストラットタワーバー。


足回りもごっそりとNBパーツへ交換しました。ブッシュを含めたサスアームとNR-Aのビルシュタインが入っています(写真は黄色くないですが)。また、スタビライザーリンクをボールジョイントタイプへ。また、ブレーキはNA8の大型ローターへ更新されています。


幌は定番のNBガラス幌(デフォッガー無し)。


ボディカラーはNA後期標準色を、エンジンルームからトランクルームまで再塗装。オプションでかつてのカタログカラーが選択可能でした・・・が、大多数が白(シャストホワイト)でデリバリーされています。


新規交換アイテムは142品目!モール系のラバー部品やランプ系の樹脂部品はすべて新品、もちろんシートも新品です。


これらのパーツを手作業で組み込んでいきます。まさにレストア作業ですね。


そしてリフレッシュビークルの証である、NAロードスター4色目の「黄色いエンブレム」が装着されました。

志の実現まで15年


発表自体は2003年の1月11日で、Web注文をマツダE&Tで受け付けました。完売は7月10日なので、約半年かかったなんて、今では考えられないですね・・・実際、当時のリフレッシュビークルは意外にもネガティブなレビューが散見されます。エンジン周りは新品だけど、ラジエターやミッションは中古車そのものだ、などです。

ただ、このリフレッシュメニュー自体は好評だったようで、今後は「定番サービスとして検討をする」というアナウンスまでありました。しかし、その実現が2018年から正式スタートしたロードスターレストアサービスと捉えるのであれば、15年がかりの企画実現ともいえるでしょう。


ただ、この経緯を加味しても、アップデートされたNBロードスターのパーツを使いながらメーカーブランドで復活させた、とても意義のあるNAロードスターでした。

実際、ロードスター発売から30年たった現在ならば【喉から手が出るほど欲しい】人が、全国に多くいらっしゃるのではないでしょうか。車両持込500万ではなく、メーカー保証付きの購入で200万切るんですからね・・・

リフレッシュビークルの時代はNBロードスターも後期型になっていましたが、この企画は通ったのは当時からずっとNAロードスターが愛されていた証拠です。そんな歴史の1ページが、マツダスピード・リフレッシュビークルなのです。

<関連情報>

ロードスター・レストアプロジェクト備忘録

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