NBロードスター ロータリーコンセプト

NBロードスター ロータリーコンセプト

今回はNBロードスターがベースになったコンセプトカーのひとつ、ロータリースポーツコンセプトのご紹介です。

そもそもコンセプトカーとは

コンセプトカーの定義を改めて確認しますと「自動車メーカーが展示目的で製作したクルマ」とされ、次世代モデルのデザインや技術の方向性を表現することを目的としています。


Mazda MX-4(設計思想が後のAZ-1)
市販を前提としていないコンセプトカーは、「デザインや企画の方向性を発表するもの」であり、内部メカは作られないこともあります。好評だったデザインや企画要素は市販車両へフィードバックされていくのです。


Mazda MX-81(後のファミリアアスティナ/ユーノス100)
一方、市販を前提としたコンセプトカーは「そのまま市販出来るレベル」のクルマとして製作され、市場調査や先行お披露目的な意味合いになります。

今回の話は、この辺も踏まえて読んでいただくと分かりやすいかも知れません。

2002 Mazdaspeed「Cosmo21」


今回ご紹介するのは2002年の東京オートサロンで発表された「コスモ21」です。

フォルムでもお察しの通り、こちらはNBロードスターをベースにしています。そのパワーユニットには「RX-8」用に開発されたNAロータリーエンジン「13B RENESIS(レネシス)」を搭載とあります。デザインモチーフは名前と見た目の通り、1967年にデビューした「コスモスポーツ(Mazda110S)」です。

(解説文より)
コスモ21はロードスターの足回りをそのまま流用し、心臓部を『RX-8』などに搭載予定の新ロータリーエンジン(250ps)に換装している。

このように記載されてはいますがエンジンルームは頑なに公開せず、走行シーンの映像も公開されなかったので「コスモ21」の心臓はB型エンジン(もしくはドンガラ)であると思われます。ちなみに新ロータリーエンジンは「RX-8などに搭載予定」と含みのある表現をしていました。


1967年~1972年まで発売した「コスモスポーツ」を、砲丸型フェンダーミラーなどレトロフューチャーをうまく用いながら、コンセプトカーらしく現代風に再現しています。ルーフはNA/NB純正ハードトップがベースですが、パーティングライン(分割線)はサーフェス処理されています。


ウインカーやテールランプには高輝度LEDを多用しており、レトロでありつつも未来的なイメージを用いています。テール造形は初代「コスモスポーツ」と同じく、宇宙ロケット・ブースターをモチーフにした二段式。まさに現代版「マットビハイクル」です。


シートなどの内装は銀と黒のキィルティング加工をバリエーション処理しており、レトロ時代に感じた未来感を再現しています。一見NBロードスターの内装にみえますが、よく観察するとコンソールは「コスモスポーツ」準拠の中央ルーバーや謎メーターが配置されているし、パイプのドアハンドルはメーカーならではの作り込みです。チカチカまぶしいけれど、ここまでやりきると逆にカッコいいです。

(解説文より)
市販予定は未定だが、300万円台で限定販売モデルとして発売される可能性もあるという。

こう記載されてはいましたが、それ程の評価を得られなかったのか、これ以降に表舞台での展開をされることはありませんでした。好評だったのは、旧車好きだけだったとか・・・

実は「コスモ21」の隣にはコンセプトカー「RSクーペ」が展示されており、こちらは後の「ロードスタークーペ」として限定販売されることになります。反響によっては本当に「コスモ21」が実現したかも知れませんね。

ルーツの「コスモスポーツ」とは


モチーフになった「コスモスポーツ」も少しご紹介します。こちらはマツダ好きなら誰もが知っている、世界初の量産ロータリーエンジン(10A)搭載のフラグシップスポーツカーです。なお、ロータリーエンジンは2017年に50周年を迎ました。また、2020年はマツダ100周年ですね。


「コスモスポーツ」デビューの際、全国紙の新聞において全面広告を掲載する異例のプロモーションが話題になり、その翌日トヨタが対抗して「トヨタ2000GT」の広告掲載したという逸話が残っています。


内装を確認しますと、あらためて「コスモ21」は本家をリスペクトしているのがわかります。また、ロードスター乗りならピンとくると思いますが、ショートストロークシフトやT字インパネ、三角窓などディティールは「マツダスポーツカーデザインDNA」のルーツとしてここに存在しています。写真にはありませんが、重量配分のためにバッテリーはトランクに積まれていました。


特に注目したいのは曲面ガラスで整形されたリアビューです。歴代RXシリーズもそうですが、ロードスターのハードトップもこのデザインをリスペクトしています。


思わず二度見してしまうリアオーバーハングは積載量を稼ぐためです。この不思議なデザインの影響で、ハンドリングはGT寄りになっているそうです。ただ、走行映像の疾走感は素晴らしく、まさに走ることで画になるクルマだと個人的には思います。

まとめ


NBロードスターのデザイン案のひとつだった丸目コンセプトは、「ポルシェ」を意識していたようですが、マツダとしては「コスモスポーツ」のリスペクトもあったのかと思われます。


そう考えると「コスモ21」の丸目デザインは、NBロードスターの丸目コンセプトにおける完成形に近しいデザインなのではないかと感じます。


余談ですが、丸目のロードスターは「ロードスタークーペTS Concept」(後のmm1)でも高い完成度を魅せてくれますが、こちらはイタリアの「アバルト」がモチーフなので、「コスモスポーツ」とは微妙にルーツが異なります。


さて、コンセプトとはいえロータリー搭載のロードスターを見せてくれたのはファンとしても非常に心強く、馬力至上主義だった当時のマツダファンは「これでVTECに勝てる!」と思ったはずです。しかし、後に貴島主査が「ロータリー搭載は絶対にありえない」といってるので、実現は厳しかったのかも知れません。仮に市販されていたら「コスモスポーツ」「コスモAP」「コスモ(ルーチェ兄弟車」「ユーノスコスモ」と数えて5番目の「コスモ」を継ぐ存在になりました。


「コスモ21」はデザインコンセプトだったのか、市場調査だったのか・・・どちらにせよ、素敵な夢を見させて頂いたロータリーコンセプトカーのご紹介でした。

関連情報:

変えないために、変えた、NB(C-6)

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