ピンクの差し色(カーデザイン・エッセンス)

ピンクの差し色(カーデザイン・エッセンス)

NBロードスターのチーフデザイナーといえば(故)林浩一氏。

NB以外にも、NAロードスターのアドバンスデザイン(先行開発)をされていたり、NC以降はデザイン副本部長だったのでロードスターにはずっと関わられていたそうです。また、ユーノス800やトリビュートのチーフデザイナーでもありました。

その林氏が残したコメントの中で「ピンク色の光」という言葉が出てきます。

「海外メーカーのレンダリングスケッチの中にピンクの光が表現されていることがある。不思議だった。ここに住まなければ未だに謎であったと思う。」


これはNAロードスターのデザイン回顧録にある記述。当時カリフォルニアでアドバンスデザインを行っていた時に気づいたとの事で、検索をかけてみると…確かに夕焼けがピンク色です。

アメリカ東海岸は乾燥した気候で空気が澄んでいて、「可視光線の幅」が広いことにより起こる現象だそうです。だから、現地では良くある日常だそうで…


今でこそカーデザインのスケッチはCG表現が多くなってしまいましたが、確かに巨匠シド・ミード先生もピンクを使っています。

このビビッドな色使い、確かに特有なもの(アメリカっぽい)と思っていたのですが、本当にピンク色の夕日なんですね。これはなかなか面白いです。

ちなみにこれはCX-9のCGレンダリングスケッチ。重厚なタッチに、確かにピンク色が射しています。

これはNDロードスターの習作「素うどん」モデル。赤い指し色を入れたのはそういう事だったんですね。


林氏はまた、こうも記述しています。

「光と影」はクレイモデルそのものの状態では判断が難しい。実車に近いコンディションを作り出すためにクレイモデルの上にダイノコックフィルムという、数ミクロンのフィルムを張る。

その状態のクレイモデルを外で見ると光の変化と共に形が無限に表情を変える。(中略)建物や自然と車の距離が遠いアメリカでは周りの景色がボディに映り込み、これによっても表情が変化していく。


日本国内でピンクの夕日を見るのは、例えば台風一過の後、本当に数年に一回のレベルで見ることがあります。ただ、それが日常なのは素敵な環境だな、と思ったのです。

ピンクの刺し色、日本で普通に生活していたら、確かに思いつきませんですね・・・

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