カタログから読み解くプロの技

カタログから読み解くプロの技

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今回はボディカラーの魅せ方の話です。自動車には様々なボディカラーが設定されますが、色の世界を調べてみると、なかなか面白いことが分かります。そこで、プロのデザイナーさんの技を追っていきましょう。

ロードスターの事例でいくと、歴代カタログは数あれど分かりやすい事例はNB3ロードスターのカタログです。なぜなら、ボディカラー(グレード紹介)に「映える背景」を重ねて掲載しているからです。

色相から読み解く「補色」とは


釈迦に説法かも知れませんが、配色の基本テクニックには「色相」というものがあります。例えば、魅せたい色があれば、色相の反対側である「補色」を活用し、お互いの色を引き立てるテクニックです。上の図でいけば「青」の補色は「黄色」になります。


このカラーリングで超定番なのはイメージカラーを「青」にしているスバル車。青いインプレッサに黄色のホイール、本当にカッコいい。ロードスターでいえば、限定車「マツダスピードロードスター」がこの組み合わせでした。

それではロードスターのカタログを参考に、プロの魅せ方を追っていきましょう。

トライアド配色


先ずはVSコンビネーションA(スプラッシュグリーン)とB(ガーネットレッド)、そして星空の青。こんなドラマチックな画を魅せられたら、NBロードスターを購入するしかありません。片方のロードスターだけでもカッコいいけれど、2台並んだらすごく見ていて安心しませんか?


これは色相環状を三角形の対にする「トライアド配色」。人間が自然に安定感を得る、黄金パターンといわれています。

ダイアード配色


続いてRS(サンライトシルバーメタリック)とRSⅡ(ブリリアントブラック)、そして雄大な空(白い雲)。ロードスターに乗っていれば、やっぱりオープンで自然の中を駆け巡りたい!


こちらは原色の白、黒、銀色(灰色)の「ダイアード配色」。そしてRSⅡの「赤いシート」が差し色になっています。日本人であれば、白、黒、赤が揃えば、高貴・荘厳なイメージを感じるはずです。

スプリット・コメンタリー


S(サプリームブルーマイカ)とSP(クラシックレッド)、そして夕焼け(黄色)。夢中になって走っていたら、1日があっという間に終わってしまった。かけがえの無い時間を得るために、次回のツーリングに思いを馳せる・・・みたいな感じでしょうか。クラシックレッドが「幌を閉じている」事にも注目です。


こちらは反対色(スプリット・コメンタリー)という配置になっていまして、補色に隣接する色相を組み合わせるテクニックになります。色相の組み合わせにより、類似性や調和を感じることができます。

ドミナントカラー配色


M(ブリリアントブラック)と朝焼け(紫)、NR−A(ピュアホワイト)とサーキット(青)といった組み合わせです。こちらもブリリアントブラックがハードトップを装着していて、とても芸がこまかい!


これは「ドミナントカラー配色」といい、青 → 紫 → 黒 と色相を近似系列で並べることで、統一感を得ることが出来ます。背景にも表れていますが、街乗りからサーキットまで、すべてのステージに対応する・・・ロードスターは場所を選ばない・・・といったメッセージが込められているのでしょう。

まとめ


以上、ウンチクを絡めてみると「作り込まれている」のが分かる、プロの技でした。色相ばかりにとらわれたら窮屈になっちゃうので注意ですが、自分のクルマは何色が映えるのか、組み合わせを学んでおくと、愛車のスナップショットを撮るのが面白くなりますよ!

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