NBロードスター コンプリートカー「M-SKY」

NBロードスター コンプリートカー「M-SKY」

今回はNBロードスターのコンプリートカーをご紹介します。

「コンプリートカー」の定義は、市販車をベースにチューニングを施したり、インテリアやエクステリアを変更した「完成車」の状態で販売されるクルマを指します。ショップデモカーというものもありますが、こちらはワンオフ制作に近しいので、スペシャルな存在ではありますが今回の対象とは少し違います。

メーカー系のコンプリートカー


NBロードスターで分かり易いのは、限定車として販売された「マツダスピードロードスター」「ロードスタークーペ」「ロードスターターボ」です。

これらはメーカーが提供したコンプリートカーといっても過言ではありません。また、マツダ以外からもNBロードスターをベースにした完成車が(僅かながら)販売されていた、そんな歴史のひとコマをご紹介します。

1999 ロードスター「M-SKY」


1999 ロードスター「M-SKY」(NB1RSベース):限定30台
価格:2,798,000円(ベース車両 約50万円プラス)

NBロードスターのリリース後、「RX-7 TypeRZ」シリーズのようにサーキットに照準を合わせたモデルとして開発されたのが「M-SKY」です。


企画はマツダアンフィニ南東京(※現在の関東マツダ)で、モータージャーナリスト斎藤慎輔氏へ全面的に開発を委ね、マツダスピード、K・G・ワークス、ユアーズスポーツ等の協力を得てセッティング、熟成を重ねていきました。
→「M-SKY」のネーミングはその頭文字に由来しています。


キャッチフレーズは「鮮烈な走りを実現。新しいスポーツの世界が見えてくる。」ということで、筑波サーキット、日光サーキット、エビスサーキット等で走り込み、単なるパーツ装着ではなくセッティングまで含めた価値としたコンプリートカーを販売しました。(※広報画像なのでナンバープレート処理をしていません)

M-SKYのセッティング

脚回り仕様

•TEIN製25段階可変式ダンパー&スプリング
•強化フロントスタビライザー
•強化フロント&リアアームブッシュ
•ブレーキパッド交換

解りやすいノーマル車との違いは、ブラックアウトされたヘッドライトです。これにより牧歌的なNB1フェイスが精悍に変わっています。なお、広報車両はパナスポーツの15インチを履いていますが、販売された車両は純正15インチ装着でした。

シャシー&メカニズム

•オリジナル4点式ロールバー
•3点式フロントストラットタワーバー
•リアストラットタワーバー
•ロールバープロテクター

エンジンは基本ノーマルでありますが、ボディ補強と脚回りにはこだわっています。なお、サーキット向けのセッティングで魅せる仕様です。

「M-SKY」のインテリア

インテリア

•オリジナルカラード・メーターフード
•オリジナルカラード・センターパネル
•丸形メタル製シフトプレート
•オリジナルメーターリング
•革巻インナードアハンドルグリップ
•スポーツシート&専用ブラケット

走りに振りながらも、さりげないドレスアップで演出もしています。いい意味でシンプル、悪い意味でコストダウンされていたNBロードスター前期型を、メタル系のパーツで彩ります。

その実力は?


「M-SKY」はガチンコで走り込んでいて、開発車両は筑波で【1’12’’93】をマークしています(タイヤ:ブリヂストンRE711)。現在のハイグリップタイヤを履いて、さらに軽量化を施せばもっと上を目指せそうですね。なお、当時のシビックタイプR(EK9)と近しいタイムを誇りました。


余談ですが、後年のノーマルNB8ベストラップは【1’11’’67】。パーティレースのNR-A車両(NB6)のベストラップは【1‘11’’23】とのことです。実はNBロードスターってそこそこ速い!


ロードスターの楽しさは千差万別ですが、合法チューニングカーのブームが再来していた20世紀末に、セッティングのみでサーキットに照準を絞ったコンプリートカーが「M-SKY」です


モータージャーナリストやアフターパーツメーカーが組んで、ディーラーからチューニングカーが販売されていたという事実に熱いものを感じるとともに、伝説を造ったNAロードスターM2シリーズへのリスペクトも感じます。

そんな時代を物語っていたこの一台。現存する車両がいたら、拝んでもいいのではないかと思います。

関連情報:

ロードスタークーペ コンプリートカーmm1(前半)

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