【NB20th】2018年貴島さんインタビュー:リスト

【NB20th】2018年貴島さんインタビュー:リスト

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2018年、NBロードスター20周年企画としてNA/NB/NCロードスターの主査をされた貴島孝雄さんにインタビューを行いました。そのまとめページです。

なお、20年前のインタビュー記録では、すでに先を見越した解答をされています。少し引用をしますと・・・

「ラテン系が上手いのは、内装にボディカラーを取り込み、ビジュアルにスポーツカーを訴えていること。結局文化の違いなので、現在の日本ではまだ難しい。そういう助けがあると、もっといい車になるのだが」

「自分の思いでスポーツカーが作れる時代が、もうそこまで来ている。すでに実例もあるし、たぶん私が生きているうちにどんどん出てくるだろう。そうなると、これはあの人が造ったスポーツカーだともっと個人が出た車が増える」

「ロードスターは乗ってアクセルを踏めばスポーツカーを感じるが、RX-7は一寸それが欠ける部分がある。300psの911やフェラーリを走らせるとスポーツカーを感じるので、260psのRX-7ならもっと出せるはず。馬力ではなく、一旦ロードスターの原点に戻らないと、その味は出せないのかも知れない」

「スポーツカーの価値は操った満足感。それが最も味わえる車でなければスポーツカーと言ってはいけない。結局はその気持ちしか残らないのだから。だから故障なんかは関係ないし、車に思いやりがあれば許せる。スポーツカーとはそういうもので、そういう性格の奴だと思って乗ってもらいたい。そして、そんな人しか本当は相手にしたくない。」

引用:カーグラフィック(二玄社):98年7月号

これらを踏まえたうえで、20年後の今回のインタビューをご覧いただくと、面白いかも知れません!

参考:貴島孝雄氏プロフィール
→ https://mx-5nb.com/2019/12/29/kijima2017-0/

プロローグ


2018年、NB20周年企画(NB20th)プロローグ
フォードから来た方たちはイランことをいってきたけれど、ロードスターを止めろとはいってこなかった。ロードスターは収益率も高いし人気のあるクルマだからね。それがスポーツカーであれば、誰でも自分の実績にしたいわけだ。

ただ、マスタングみたいなクルマでオープンを作れば売れるなんていうから、私が苦労したのはそこだね。その通りにやっていたら、ロードスターは2代目で終わっていたよ。拡大パワーアップの路線そのものだからね。(談)
https://mx-5nb.com/2020/04/27/kijima2018-0/

ロードスター誕生前夜(E-part)


【NB20th】NA登場前夜(E-1)
普段の平井さんは、広島弁の普通のおじさんで、エンジンや操縦安定性を極めるようなことは専門ではなかった。むしろ、もっと上流の「パッケージング」や「商品企画」が出来る人だった。クルマ全体を広く・浅く見ることが出来るので、「どれもいい顔をしたら駄目だ、八方美人ではクルマはできない」と、理論の裏付けを持って語れる人で、何を守って何を捨てるか、選択と集中の哲学を持っていた。
https://mx-5nb.com/2020/04/29/kijima2018-1/


【NB20th】血を流す思いで作った、初代ロードスター(E-2)
彼は「物事の本質に対して欲をかくな、お客さまは本質にずれた事をやったら必ず見抜く」と常にいっていた。創造的破壊とも表現もしていたけれど、過去のものに固執せず時代に合わせるべきとしいう信念があった。
https://mx-5nb.com/2020/05/01/kijima2018-2/

フォードは決して敵ではなかった(F-Part)


【NB20th】フォード体制、変わるか死ぬか(F-1)
あの5チャンネル戦略は、エンジニアも異を唱えることが出来なかった。広告代理店のコンサルティングではトヨタの様にブランドが成り立てば、経営がバラ色になるという話だった。マツダは大きくコストをかけて、経営会議も通してまで依頼をしているから、止まることはなかった。
https://mx-5nb.com/2020/05/04/kijima2018-3/


【NB20th】フォードは決して敵ではなかった(F-2)
主査は「ロードスター」という企業の社長と思ってもらうと分かりやすいと思う。投資額を決めて、デザイン、性能、販売価格から、品質を保ちながら製造を行って、ディーラー輸送のタームから、販売計画、収支までをみる。さらにJDパワー(※品質調査会社)のスコアも来るからクレームに対処して、次のスコアまでの目標を立てる、そんな全てを統括する。
https://mx-5nb.com/2020/05/06/kijima2018-4/

ロードスター開発エピソード(G-Part)


【NB20th】欧州基準のNBロードスター(G-1)
いきなり主査が出来たのは、もともと初代から開発に関わっていたことが幸いした。そもそもシャシーで問題があれば対応をしていたし、ジャーナリストから足周りの話を聞きたいとなったら、平井さんに頼まれて同席をしていた。
https://mx-5nb.com/2020/05/08/kijima2018-5/


【NB20th】意図したNBのボディバランス(G-2)
NBは、よりボディバランスを崩さないような調整を行った。ボディには共振点というものがあって、やりすぎると「ねじり」や「曲げ」を助長する、いわばバランスを崩す補強になってしまう。NBはバランスを調整するなか、NAにあったブレースバーを入れると不快な振動が助長されるという特徴がみえた。
https://mx-5nb.com/2020/05/11/kijima2018-6/


【NB20th】RX-8とNCロードスター(G-3)
3代目はRX-8のしがらみがなかったら、あれ以上軽いクルマが出来ていた。私は1トンを切る自信があったけれど、「このしがらみはロードスターではない」と最初は主査を断った。フォード主導ではあったけれど、エイトのホイールベースを縮めてロードスターが作れると考えること自体がおかしい。
https://mx-5nb.com/2020/05/13/kijima2018-7/

ものづくりのスピリット(H-Part)


【NB20th】感性豊かな技術者であれ(H-1)
一流品に触れると、それが構成されている理由や物事の「本質」がみえるし、自己の分野での「応用」も見えてくる。一流品のレベルを知るにはお金がかかるけど、それは自分への投資になる。
https://mx-5nb.com/2020/05/15/kijima2018-8/


【NB20th】目標値ありきを自覚せよ(H-2)
「目標値」は自分たちで決定できるものではなく、購買層やフォローをしてくれている潜在顧客をリサーチしないと決まらない。だからこそポルシェのフィールドではなく、200万円で戦うクルマのフィールドに「求められる性能」を達成する。
https://mx-5nb.com/2020/05/18/kijima2018-9-2/

ロードスターの継承(まとめ)


【NB20th】「ロードスター」の継承(G-4)
軽量化はいいことだけれど「軽いこと」が目的になってしまってはいけない。1トン切るのは記号性であって、クルマが楽しくなかったら何の意味もないし、そういうことが指標になっていないのはまずい。ロードスターはマツダ・ブランドブルズアイのセンターにあるし、ロードスターの乗り味である「人馬一体」はマツダ車全体の味でもある。
https://mx-5nb.com/2020/05/20/kijima2018-9/


【NB20th】インタビュー(エピローグ)
「愛車の楽しさ」は人それぞれだと思うので、今回の話はあくまで参考意見です。ただ、私自身が願うのは、ロードスターが気になる方が「NBロードスターも結構いいじゃん」と、少しでも興味を持っていただければ・・・とても嬉しいです。
https://mx-5nb.com/2020/05/22/kijima2018-10/

→関連情報

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