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ロードスターは社内で反対勢力があっても、ダブルウィッシュボーンを採用できたことが不思議でした。貴島さんの回答はシンプルで「当時一番いいものだったから」であり、内張はベニヤ板でもメカにはコストをかける、哲学を感じたエピソードでした。
インタビュー前夜に思う
そもそも、この一連のトピックを書いたのは、主査インタビューを行う前に、ダブルウィッシュボーン(独立懸架方式)・サスペンションのロジックを知りたかったからでした。
自動車には「FF」「FR」「AWD」「MR」「RR」とさまざまな駆動方式があり、かつてはオーバーステアだ、アンダーステアだと騒いでいた時期がありました。
しかし、現在の自動車エンジニアリングにおいて【ハンドリングの味付け】は、電子デバイスの進化によって、いかようにも可能な時代になっているそうです。FFのとてつもないハンドリングカーなんて普通になりましたからね。
したがって「脚まわり形式」の優位性は、そのクルマのキャラクター(用途)によって異なります。今の時代、どの形式が一番?なんてマウントを取るのはナンセンスです。
ただ、ロードスターが開発された30年前は「スポーツカーといえばFRでダブルウィッシュボーン」といわれていた時代でした。確かにライトウェイトの大先輩だったロータス・エランもオースチン・ヒーレーも脚まわりにはコストをかけていました。
その利点は、エンスージアストが「自分でセッティングできるから」という話を耳にしますが、正直、ロードスターで日常にそれを行っているオーナーは少ないと思います。
実際、主査からは「普通の人はストラットでも気にしないと思うよ」とおっしゃっていました。ただ「それでも良いものであることに変わりはないからね」という明確な答えも頂きました。
こんなエピソードを前提に、「なぜロードスターはダブルウィッシュボーンなのか」「なぜイイのか」を中心に、走行性能にかかわるトピックを集めました。よろしければご覧ください!
ロードスター・走行性能に関わるトピック
足周りの話(素性編)
https://mx-5nb.com/2019/12/07/wishbone-1/
足周りの話(NAロードスターの特性編)
https://mx-5nb.com/2019/12/08/wishbone-2/
NBロードスター 足周りの話(NBセッティング編)
https://mx-5nb.com/2019/12/09/wishbone-3/
世界一になったNBロードスター
https://mx-5nb.com/2019/11/13/besthandling/
ロードスター「ヨー慣性モーメント」の低減
https://mx-5nb.com/2020/01/20/moment-of-inertia/
ロードスター・パワープラントフレーム(PPF)
https://mx-5nb.com/2020/08/17/power-plant-frame/