ロードスターの燃費改善(エコドライブ)

ロードスターの燃費改善(エコドライブ)

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スポーツカーだからこそ気にしたい環境性能。趣味車は燃費が悪くて当然、そんな時代ではありません。面白いのは、ロードスターの説明書にも燃費改善プランが記載されていることです。なお、NBは運動性向上のためにエアコンオフも自動制御しています。

スポーツカーでエコドライブ!?

スポーツカーにおいて「燃費」を意識することを滑稽と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、現実問題として少しでも移動距離は伸びることは、クルマの機能としてメリットになるはずです。

また、昨今の環境問題を加味すれば、エコロジーな運転は(趣味車においては特に)たしなんでおきたい習慣です。アクセルを床まで踏むのは、限られた状況ですからね。

なお、国土交通省が目標としている「乗用車燃費目標値」は2030年で25.4kmです。NBロードスターのカタログ燃費(NB6:14.2km)から計算すると、(計測モードは違えども)10年後は8割近くの燃費向上がレギュレーションになっているのです。


真偽のほどはさておいて、ロードスターのカタログ燃費を並べてみても、燃費は徐々に改善されていることが解ります。今後、現行NDロードスターからさらに燃費をブレイクスルーさせるなら、スカイX(+モーターアシスト)や、エレキ・ロードスターという選択になるかも知れませんね。

さておき、エコドライブや燃費改善に関するトピックは、ロードスターの取扱書(説明書)にも興味深いデータが掲示されています。

情報ソース:NB/NC/NDロードスター取扱書、社)日本自動車工業会

燃費改善の「素性」


燃費改善の方法は、設計段階で組み込まれるクルマ自体の【先天的な素性】と、【ユーザーで行えるもの(=乗り方)】のふたつが存在します。

実際、30年続いているロードスターのフルモデルチェンジは、環境対応と安全対応・・・つまり、継続させるためのグローバルレギュレーションを担保させていった歴史です。つまり、歴代の一般的な燃費改善技術を並べてみると、ロードスターの進化に合致する部分があるのです。

1)エンジンの効率向上
<燃費率の向上>
直接筒内噴射、可変機構(可変気筒・可変バルブ等)、加給ダウンサイジング
<摩擦損失の低減>
ピストン&リングの摩擦低減、低摩擦エンジンオイル

2)駆動系の改良
ロックアップ域の拡大、シフト段階の増加、CVT

3)空気抵抗の軽減
ボディ形状の改良

4)車両の軽量化
軽量素材の採用拡大、ボディ構造の改良

5)ころがり抵抗の低減
低ころがり抵抗タイヤ

6)その他
電動パワーステアリング、アイドリングストップ

経済的な運転方法(整備関係)


燃費改善を意識した運転は、結果的にエコドライブに繋がります。そこで、歴代ロードスターの説明書に記載されている事例を引用していきます。

なお、ベンチマークは2リッター乗用車(AT)の燃費=11.7km/l(10・15モード)が計算ベースになっているので、単純計算をロードスターに当てはめることはできませんが、今回はNB6ロードスターに置き換えて逆算していきます。

不要な荷物は積まない
燃費:14.2km/l → 13.8km/l
荷物が多いほど、燃料は多く消費します。不要な荷物は降ろして走行しましょう。100 kgの不要な荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化します。10kgの荷物を降ろして50km走ると、約15mlの燃料を節約できます。

タイヤの空気圧を適正に
燃費 14.2km/l → 13.9km/l
こまめに点検し、適正な空気圧に調整しましょう。タイヤの空気圧が適正値より50 kPa (0.5 kg/cm2) 不足した場合、市街地で2%程度、郊外で4%程度と、それぞれ燃費が悪化します。適正値で50km走ると、50kPa減の時に比べて、約150mlの燃料を節約できます。

経済的な運転方法(運転技術)


アイドリングストップをしない
10分 → 1.8km分 浪費
コンビニでの買い物、人待ちや荷降ろしなど、ちょっとした駐車のときにもエンジンを止めましょう。10分間のアイドリングで、130cc程度の燃料を浪費します。

空ぶかしをしない
10回 → 0.8km分
空ぶかしは環境にも車にもよくありません。空ぶかしを10回やめると60mlの燃料を節約できます。

エアコンの使用は控えめに
燃費 14.2km/l → 12.5km/l
エアコンの使用を控えると、燃料の節約になります。外気温25°Cの時に、エアコンを常時使用すると、12%程度燃費が悪化します。エアコンを5分間停止すると、約55mlの燃料を節約できます。

なお、運動性向上のためにNBロードスターでは下記タイミングでエアコンOFFの動作が入ります。

・始動時:約4秒:始動性向上
・加速時:役2秒:加速性向上
・スロットル全開時:約5秒:加速性向上
・スロットル全開戻し時:約1秒:エンジン回転安定性向上
・水温115℃の時:112℃未満になるまで10秒ごとにON/OFF:エンジン信頼性向上

ゆとりある走行を
燃費 14.2km/l → 13.9km/l
急発進、急加速、急ブレーキは避けましょう。速度にムラのある走り方をすると、市街地で2%程度、郊外で6%程度燃費が悪化します。急発進を10回やめると約170ml、急加速を10回やめると約110mlの燃料を節約できます。

経済的速度
一般道路で40km/h、高速道路で80km/h程度の等速走行が経済的です。

アクセルペダルの上手な踏みかた


加速終了時 (AT車)
アクセルペダルを少し大きめにもどしてみましょう。適切に無駄なく自動変速されるため、燃費がよくなります。

下り坂に入るとき、減速を始めるとき
早めにアクセルペダルをもどし、エンジンブレーキを使いましょう。アクセルペダルをもどすと燃料噴射が停止されるので、燃費がよくなります。

一定速度のとき
アクセルペダルの踏み加減を一定に保ちましょう。アクセルペダルの踏み込み、踏みもどしは少ないほど燃料噴射が少なくなるため、燃費がよくなります。

以上、ロードスターの説明書にも記載されているエコドライブ。目を三角にして峠を攻めるのも楽しいですが、スポーツカーに乗っているからこそ、周辺環境にも配慮した運転を心掛けたいものです。

関連情報→

ロードスターにエコタイヤ

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