ロードスタークーペその後(Coupe4)
ロードスタークーペの販売計画 1989年のユーノス・ロードスター発表から約14年、企画段階から存在していた「クーペモデル」は2003年に極小量生産という前提でリリースされました。 言葉の通り「手間」が掛かっているロードスタークーペは、職人魂(=手作業)溢れる工程を経て生産され、国内限定販売となりました。決定していた生産要件は以下の通りです。 <予定> 生産台数 40台/月(2台/日) 生産期間 2 […]
ロードスタークーペの販売計画 1989年のユーノス・ロードスター発表から約14年、企画段階から存在していた「クーペモデル」は2003年に極小量生産という前提でリリースされました。 言葉の通り「手間」が掛かっているロードスタークーペは、職人魂(=手作業)溢れる工程を経て生産され、国内限定販売となりました。決定していた生産要件は以下の通りです。 <予定> 生産台数 40台/月(2台/日) 生産期間 2 […]
今回はロードスタークーペがどのように量産されたかのご紹介です。 派生車ではなく特装車 当時、派生車・限定車はベーシックラインナップと比較しても変更点の差異が少なく、通常ライン(量産車)と同時生産が前提であったり、または量産ラインで完成したホワイトボディを台車に下ろして加工を加える・・・といった手法がとられていました。 しかし、ロードスタークーペのベース車はオープンカーであるNBロードスターであり、 […]
国産最後の5ナンバーFRクーペ 日本の公道を走るクルマには、すべからく「ナンバープレート」が装着されています。 ナンバープレートは「上部3桁の数字」でクルマの区分を表示しています。例えば5ナンバー(小型乗用車)は「全幅1700mm以下、全高2000mm以下、全長4700mm以下」かつ「排気量2000cc以下」と規定があり、車体サイズ、排気量のいずれか一方でも超えていれば3ナンバー(普通乗用車)に区 […]
今回から複数回に渡って、ロードスターデザイナーの悲願とされたロードスターの「クーペ」を紐解きます。 クルマにおける「クーペ」とは二人乗りの「箱馬車」が語源になっており、現在は2枚ドアの乗用車を指す言葉になっています。 オープンカーのロードスターをオプションの「脱着式ハードトップ」ではなく、「固定ルーフ」のクーペ化をおこなうという構想は、開発段階からデザイナーサイドの案として存在していました。 した […]
今回はNBロードスターの安全性能全般の話です。 NAロードスターからNBロードスターにフルモデルチェンジした経緯は幾つもありますが、特に重要だったポイントは国際レベルの安全基準に対応することでした。グローバルで展開するロードスター(MX-5)は、そこに適合できないと企画自体が成り立たなく、つまり継続販売ができないのです。 なお、2020年現在の自動車レギュレーションはより厳しくなっており、緩くなる […]
最近は何かとトヨタがアツいです。特に話題の「GRスープラ」ですが、デビュー時のプレスリリースには面白い記載があり、一部で話題になりました。 「GRスープラ」のプレスリリースでは、「ホイールベース(W)をトレッド(T)で割った比率が1.55」というものが強調されていました。この数値はレビューサイトによってはスポーツカーの「黄金比」とまで書かれています。(※プレスリリースではそこまで吹いていませんが) […]
今回はマツダ・スポーツカーの解説でよく耳にする「ヨー慣性モーメント」の話です。ヨーとは「ヨーイング」のことで車体の【回転運動】を指し、「モーメント」は運動を引き起こす【キッカケ】を指した言葉です。 クルマにおいて「曲がる」というアクションは、パワー伝達、車重、タイヤ、足周り、駆動形式などの様々な要素が絡みあって成り立っています。その中でも物理的な要素にロードスターはこだわっている、というのが今回の […]
貴島孝雄さんインタビューの続き、NCロードスター編もこれでラスト。今までもNCに関しては、プレス発表や各種報道資料がありました。しかし、それ以外の部分・・・作り手の思いやこだわりを感じて頂ければ幸いです。NCも寸分違わず「ロードスター」でした。 貴島さんのプロフィールはこちら NCベースのクローズドクーペ ロードスターは世界の拠点から、例えばスピードスターのような提案があるけれど、本社は全く関わっ […]
貴島孝雄さんインタビューの続き、NCロードスターのエピソードです。人馬一体のため、軽さは性能、アフォータブルで誰でも手に入るように、そして時代の要件・・・ロードスター再構築するにあたって、NCはより作り込まれていきました。 貴島さんのプロフィールはこちら 油圧パワーステアリング NC当時は電動ステアリングがどうしてもリニア感が出なくて、わざわざ油圧にした。(※RX-8は電動ステアリング) 電動はス […]
貴島孝雄さんインタビューの続き、NCロードスターのエピソードです。主査になった段階で予定されていたNCの初期プランは、どう考えても大きく・重い、ロードスターの方向性として相違するものでした・・・ 貴島さんのプロフィールはこちら NCのベンチマークは これはNBがベンチマークになる。ロードスターのような「味」を持つクルマは、世界中探してもどこにもない。だから自らを超えるという目標になった。NAもNB […]
貴島孝雄さんインタビューの続きです。今回はNC型、第三世代ロードスターのエピソードに入ります。 ご存知の通りNCロードスターは完全新規、ゼロから再設計することになったロードスターです。ただ、フルモデルチェンジを行うのは一枚岩ではなかったそうで、一部メディア等でも有名なエピソードが出てきます。でも、それをご本人から聞けたことに意義があります。ちなみに、NC企画開始は2001年5月、NB2の時代から始 […]
元主査である貴島孝雄さんのインタビュー続きです。NB編のラストは、当時何かにつけて出てきた「重箱のスミを突く話」で締めたいと思います。今思うとそりゃそうだよね・・・という内容です。 貴島さんのプロフィールはこちら ロータリーエンジンは乗せないの? お客さんの声としてはたしかにあったから、乗せてもいいのだけど・・・NB時代のロータリーは13Bだったかな。ただ、それをロードスターに付けたらブレーキの補 […]
元主査である貴島孝雄さんのインタビュー共有続きです。NBロードスターは歴代シリーズで一番バリエーションのある車種でした。しかし、後期型のスペック情報はカタログ程度の記載しか存在しません。何故でしょうか。 貴島さんのプロフィールはこちら スペックの情報が少ないのはなぜ これは、スペックで謳うことをロードスターではやめたから。ロードスターは馬力がどうこうではなくて「気持ちよく走れるか」という指標でしか […]
元主査である貴島孝雄さんのインタビュー共有続きです。NBロードスターは乗用車的な乗り味に・・・なんてコメントを今だにしている方がいらっしゃるかもしれませんが、根拠を持って作り込んだ、今回はそんな話です。 貴島さんのプロフィールはこちら ステアリングに関して NBのパワーステアリングはトーションバーを太くしている。油圧が効いてないときはトーションバーをねじってバルブが開くから、トーションバーの味を感 […]
元主査である貴島孝雄さんインタビューの続きです。NB型、第二世代ロードスターになった理由の一つには安全性の強化がありました。それを先代と同一のボディサイズで実現させた苦労や、やっぱりそうか・・・な6MTの話です。あばたもえくぼ、笑って読んでください。 貴島さんのプロフィールはこちら 安全性強化 一番困ったのは、欧州の民間でやっている安全実験だった。クルマを台車に乗せてブレーキをかけ、Aピラーを変形 […]
貴島孝雄さんインタビューの続きです。進化を続ける「NBロードスター」は、メカ的なもの以外にもユーティリティが強化されていきました。しかし、それによって「乗用車的」になったという厳しい意見がありましたが、不便をよしとするのは微妙な話です。これは、モデル継続を行う上で必要な選択でした。 貴島さんのプロフィールはこちら IQSの影響、ユーティリティ改善 NAの時は、走ることに関係ないものは何も付けないで […]