ロードスター 歴代グレーのお約束

ロードスター 歴代グレーのお約束

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魔法の色、グレー


マツダのプレスリリースによると、ローンチから販売好調とされたロードスターRF。ちなみに国内ではNCロードスターの販売台数と比較されがちですが、世界販売ではNCロードスターもNDロードスターとおなじ程度は売れています。


また、テーマカラーである「マシーングレープレミアムメタリック」と「VS」グレード内装のマッチングは素直にカッコいいし、オートカラーアウォード受賞という評価も得ました。

さて、好評なものには必ず理由が存在します。特に「グレー」という色はどんなものにもマッチングする「魔法の色」とされています。さらに、グレーがカッコよく感じるコーディネートにもお約束があるようです。

なお、グレー自体には下記のような抽象的イメージがあるとされています。

陰気 穏やか 過去 疑惑 空想 思い出 寂しさ 地味 調和 薄暗い 不安 無機質 無気力 迷い 憂鬱 落ち着き 曖昧 信頼 安らぎ クール スタイリッシュ 大人 温厚 上品 エレガント 不透明


ここでAdobiColerにてグレー(RGB:128/128/128)を選択し、モノクロマティックを当ててみると、ブラウンやタンの色が当てはまります。

モノクロマティックとは、基調となる色をもとに明度・彩度の差だけで色付けする方法であり、統一感を感じながらも、選んだ色のイメージをダイレクトに伝えられます。ただ、そのままだと単調になりがちなので、間色にコントラストでメリハリをつけてアレンジをおこないます。


そこでマツダカラーデザイナーは間色の「ベージュ」を「オーバーン(赤褐色)」寄りに調整しているようです。

間色とは「調和を保つため、光の当たっている部分と陰とを、柔らかくつなぐ色」とされ、ヒトが潜在的に「良い」と思う配色であり、ファッションやインテリアでも定番のコーディネートになります。

定番のコーディネート、MVリミテッド


実は、歴代ロードスターでもこの配色は「定番」になっていました。
こちらは第二世代NB型ロードスターの限定車MVリミテッドの「チタニウムグレーメタリック(25G)」です。

 
内装は専用色のブラウンを採用したことで、落ち着いた雰囲気のNBロードスターに仕上げています。ただ、このブラウン内装シートはとても傷みやすいらしく・・・厳しい状態を見かけるたび、アドカラーで修復したくなります。


また、NB4ロードスターではテーマカラーが「チタニウムグレーメタリックⅡ(29Y)」(※RX-7のスピリットRと同色)になりますが、上記の「チタニウムグレーメタリック」とは色味が全然違います。これだけでも、マツダがグレーにこだわっているのがわかります。

NCロードスターはテーマカラーとして


第三世代であるNC型ロードスターでもグレーはテーマカラーになりました。

壮大なネーミングの「ギャラクシーグレーマイカ(32S)」はロードスターに限らず、初代アテンザやアクセラなどマツダ第三世代商品群(アスレチックデザイン)でも定番になったカラーです。


「VS」グレードで採用された内装色は、モダンに寄りに振った「サドルタン」です。当時はロードスターらしからぬ質の高さであると微妙な表現をされていましたが、このコーディネートは郡を抜いてセンスの良さを感じます。

示唆されていたNDロードスターのタンカラー


第四世代のNDロードスターにも海外では「メテオグレーマイカ(42A)」のタン内装がローンチ段階でお披露目されていました。実はカラーデザイナー一押しのコーディネートであるとも公言されていました。ただ、この仕様で市販化はありませんでした。(※北米のローンチエディションは赤×タン)


このバリエーションが実現したのは、発売から3年後の2018年6月の商品改良になります。ロードスターRFにスポーツタン内装が設定されたのです。幌モデルでも期間限定受注の「Caramel Top」として設定されました。


なお、ロードスターRFは各種コーディネートが選択できるようになっています。左から「バーガンディレッド」「本革・スポーツタン」「本革・ブラック」です。


歴代グレーのカッコよさもさることながら、売れ行きが好調なNDロードスターであればこそ、この勢いで新たなボディカラーのバリエーションも期待したいところです。

関連情報:

NBロードスターのボディカラー(国内編)

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