この記事を読むのに必要な時間は約17分です。
ロードスターはアフォーダブル、つまり「手が届く」スポーツカーが開発コンセプトのひとつ。
それは誰にでも「人馬一体(=乗って楽しい)」を提供し、普段使いもこなし、なにより維持費に至るまで敷居を下げるため、開発エンジニアはメンテナンスの容易さだけでなく保険費用にまで、心配りをしていたそうです。
さて、そんな私のNBロードスターも初年度登録より18年が経過しました。2021年4月を持って中古車購入してオーナーになってから、今年で10年目を迎えるのです。そこで、これを機会にどれくらいの維持費用(コスト)が掛かっていたのかを可視化してみました。幸い某SNSやネット注文で様々な履歴が残っていたので、可能な範囲で情報を掘り起こしました。
あくまで私自身のお金の使い方なので、全く同じ状況になることは無いと思いますが、18年落ちのロードスターにかかった費用が本当にアフォーダブルだったのか、じっくり検証を行ってみたいと思います!※細かい数字のブレはご勘弁ください。記憶にない費用もあると思うので・・・
集計期間:2012年4月~2021年3月
なお、NBロードスターのざっくりしたスペックは以下の通り。クルマいじりの方向は「クルマの素性を活かす」モデファイであり、自分でできそうなことは「なるべく手を動かす」ことを心掛けています。

マツダ・ロードスター
製造年度:2003年(平成15年)
型式番号:GH-NB6C(301264)
排気量 :1600cc(125ps)
車両重量:1,050㎏
トランスミッション:5MT
グレード:WebTuned(NR-AベースNC4内装)
NBロードスターの固定費
固定費とは自動車を所有しているだけで絶対にかかる経費です。サーキット専用車とか、プライベートな敷地で乗る分には必要ありませんが、一般路を走るには必要なコストです。まずは、日本国内で自動車を維持するために必要な税金を集計してみました。
自動車税と重量税は2016年以降は登録年度から13年超過となっているためにグッと上昇しています。また、車検時に加入する自賠責保険は料率改定があるので上下に変動しています。なお、ここの項目では車検の基本費用しか記載しておらず、交換パーツなどの整備費用は後に記載するメンテナンス費用で計上します。
また、任意保険というのはいわゆる自動車保険です。任意なんだから入らなくていいという考えであれば、スポーツカーは所有しない方が賢明です。これは絶対に必要な経費です。
保険契約の前提は20等級以上、ゴールド免許、中年であるとともに、年間走行距離が少ないことがあります。対人・対物補償は無制限ですが、家計に負担をかけたくないので車両保険はあえてかけていません。ぶっ壊したら自分の責任です・・・
年 | 自動車税 | 重量税 | 自賠責保険 | 車検基本費用 | 任意保険 | 固定費計 |
2012年 | ¥39,500 | ¥19,850 | ¥59,350 | |||
2013年 | ¥39,500 | ¥18,780 | ¥58,280 | |||
2014年 | ¥39,500 | ¥24,600 | ¥27,840 | ¥21,230 | ¥18,800 | ¥131,970 |
2015年 | ¥39,500 | ¥19,530 | ¥59,030 | |||
2016年 | ¥45,400 | ¥34,200 | ¥27,840 | ¥21,230 | ¥13,830 | ¥142,500 |
2017年 | ¥45,400 | ¥13,820 | ¥59,220 | |||
2018年 | ¥45,400 | ¥34,200 | ¥25,830 | ¥21,230 | ¥11,880 | ¥138,540 |
2019年 | ¥45,400 | ¥8,800 | ¥54,200 | |||
2020年 | ¥45,400 | ¥34,200 | ¥21,550 | ¥21,230 | ¥9,860 | ¥132,240 |
2021年 | ¥45,400 | ¥11,680 | ¥57,080 | |||
合計 | ¥430,400 | ¥127,200 | ¥103,060 | ¥84,920 | ¥146,830 | ¥892,410 |
2016年より自動車保険が極端に下がっているのは、ネット系損保に切り替えたことにあります。ネット保険は自身で理解する必要や事務作業の手間が増えますが、早期特典などの割引が適用されるので助かっています。
余談ですが、幸い身の回りで事故を起こすことはありませんでしたが、車両トラブルの際にオペレーターさんに相談する機会が幾度かあり、その対応が信頼できたのでファミリーカーもネット損保に切り替えました。
なお、私の場合は自宅の敷地にロードスターを駐めているので「駐車場代」がかかっていないことも付記しておきます。
参考)→https://mx-5nb.com/2020/06/22/car-insurance-rate/
NBロードスターの整備費用
次に、メンテナンス費用を集計してみました。
幸い、ロードスター繋がりの友人がメンテナンスに明るいこともあり、そこからノウハウを得たり、作業工賃は「食事をおごる」レベルで済んでいるラッキーな状況があります。
主な分類は以下の通りです。
トラブル整備:緊急で対処したもの
快適装備 :カーナビ、ETC、オーディオ、エアロパーツなど
年 | メンテナンス | トラブル整備 | 快適装備 | 年次計 |
2012年 | ¥66,633 | ¥71,050 | ¥55,456 | ¥193,139 |
2013年 | ¥37,922 | ¥21,870 | ¥59,792 | |
2014年 | ¥6,647 | ¥91,678 | ¥17,396 | ¥115,721 |
2015年 | ¥8,711 | ¥18,900 | ¥35,968 | ¥63,579 |
2016年 | ¥28,760 | ¥20,000 | ¥48,760 | |
2017年 | ¥71,300 | ¥15,035 | ¥86,335 | |
2018年 | ¥45,760 | ¥23,652 | ¥4,830 | ¥74,242 |
2019年 | ¥110,760 | ¥30,730 | ¥14,402 | ¥153,212 |
2020年 | ¥122,948 | ¥27,155 | ¥148,339 | |
2021年 | ¥5,150 | ¥5,150 | ||
合計 | ¥504,591 | ¥251,045 | ¥197,077 | ¥948,269 |
金額の羅列だけだとピンと来ないので、比較的コストのかかった整備を記載していきますと下記のようになります。
・パワートレイン関連(クラッチ、オイル漏れ、ベルト系、水回り)
・ウインドーレギュレーター交換
・ヒーターホース交換
・ボンネット/フェンダー塗装
・バッテリー交換(2回)
<メンテナンス(予防整備)>
・プラグ回り交換
・幌交換
・ラジエーター交換
・サスペンション交換
・レリーズシリンダー交換
<快適装備>
・エアロパーツ購入
・アルミホイール&タイヤ購入
・ボンネットインシュレーター
・ボディカバー購入
・ナビ&ETC購入
また、私は以前にNB8C(NBロードスター)とNA6CE(ユーノスロードスター)のオーナだった時期があり、その時に残していたパーツ(セミバケットシートやハードトップなど)はそのまま愛車に継承しています。
維持費用において、快適装備はなくてもクルマは走ります。でも、ドレスアップやモデファイはロードスターに乗っていたらやりたくなりますよね・・・
一方で、緊急メンテナンスや予防整備は安全に走るために必要なコストです。ロードスターは腐っても日本車なので基本的に頑丈ですが、経年劣化によるトラブルは避けられません・・・修理費用がかさむと心が折れるような話も耳にしますが、私は(まだ)楽しくロードスターを維持することができています。
NBロードスターの燃料費(ガソリン代)
次は燃料費の集計です。
大前提として、NB6CのB6-ZEエンジンは【レギュラー仕様】です。私の居住する埼玉県はガソリン価格が全国平均より少しだけ安価な地域になります。(※ハイオクガソリンで比較をする際はリッター当たりプラス10円になりますね)
また、2013年~2014年は世界的に投資(投機)資金が「原油と金」に注がれた時期なので、単価が恐ろしく暴騰しました。この時期は不景気も相まってスポーツカー冬の時代といわれ、エコカーとか積載性の高いクルマが特に幅を利かせた時期でもあります。
あの時はロードスターのガソリン満タンで8,000円近くかかっていて、給油が辛かった記憶を思い出しました・・・
年 | 走行距離(km) | 給油量(L) | 平均単価 | 給油金額 | 燃費(L) | 給油回数 |
2012年 | 4,352.8 | 368.1 | ¥137.4 | ¥50,573 | 11.8 | 10 |
2013年 | 6,789.5 | 624.6 | ¥144.7 | ¥90,469 | 10.9 | 17 |
2014年 | 5,871.9 | 548.0 | ¥149.9 | ¥82,128 | 10.7 | 14 |
2015年 | 6,097.0 | 546.8 | ¥123.7 | ¥67,765 | 11.1 | 15 |
2016年 | 5,851.7 | 513.2 | ¥108.6 | ¥55,455 | 11.4 | 15 |
2017年 | 6,393.0 | 539.7 | ¥122.1 | ¥65,980 | 11.8 | 14 |
2018年 | 4,222.9 | 395.0 | ¥138.2 | ¥54,457 | 10.7 | 11 |
2019年 | 3,785.4 | 362.7 | ¥131.6 | ¥47,661 | 10.4 | 10 |
2020年 | 3,512.7 | 329.5 | ¥122.4 | ¥40,160 | 10.7 | 9 |
2021年 | 675.1 | 71.6 | ¥129.3 | ¥9,259 | 9.4 | 2 |
合計 | 47,552.0 | 4,299.1 | ¥130.8 | ¥563,907 | 11.1 | 117 |
私の運転は週末の街乗りが中心です。あまり燃費を気にすることは無く、テンポよく走れる3000回転前後のシフトチェンジと、スラッジを焼くため(たまに)床まで踏むような走り方だと思います。
2018年以降は多忙になってしまい、なかなかツーリングに行けていないのが辛いところです。さらに2020年は新型コロナウイルスの影響で、ほとんど乗ることができませんでした。
面白いのは平均燃費で、慣らしていくとほぼ近しい数値になっていきました。なお、燃費最高値は14.59km/L、最低値は7.49km/Lでした。
別のトピックになりますが、ハードトップ装着時&エアコン常用の夏季とそれ以外では燃費に差が出ます。【重さ】と【エンジン負担】は分かりやすく数値に現れます。
参考→https://mx-5nb.com/2019/12/12/fuel-economy/
NBロードスター維持費 総計
最後に、約9年間を通した維持費の総計をまとめてみました。なお、車両価格(納車費用)とレジャー関連の費用は計算外にしてあります。あくまでNBロードスターの維持にかかった費用です。
実際に並べてみると、車検のある年が分かりやすく跳ね上がりますが、年間20万~30万ほどの維持コストがかかっていたようです。
年 | 固定費 | 整備費 | 燃料費 | 年次計 |
2012年 | ¥59,350 | ¥193,139 | ¥50,573 | ¥303,062 |
2013年 | ¥58,280 | ¥59,792 | ¥90,469 | ¥208,541 |
2014年 | ¥131,970 | ¥115,721 | ¥82,128 | ¥329,819 |
2015年 | ¥59,030 | ¥63,579 | ¥67,765 | ¥190,374 |
2016年 | ¥142,500 | ¥48,760 | ¥55,455 | ¥246,715 |
2017年 | ¥59,220 | ¥86,335 | ¥65,980 | ¥211,535 |
2018年 | ¥138,540 | ¥74,242 | ¥54,457 | ¥267,239 |
2019年 | ¥54,200 | ¥153,212 | ¥47,661 | ¥255,073 |
2020年 | ¥132,240 | ¥148,339 | ¥40,160 | ¥320,739 |
2021年 | ¥57,080 | ¥5,150 | ¥9,259 | ¥71,489 |
合計 | ¥892,410 | ¥948,269 | ¥563,907 | ¥2,404,586 |
あわせて、各種費用の年次平均値を出してみると下記のようになりました。
整備費平均:104,971円
燃料費平均:61,628円
(※2021年は終わっていないので除外)
維持費用総平均(年):259,233円/年
月平均:21,603円/月
キャッシュフロー的には大きな出費があることもありましたが、約9年の維持費用を慣らすと、約2.2万円/月くらいでロードスターを維持していた計算になります。
もちろん「楽しさはプライスレス」ということも承知していますが、改めてこうして数字にすると見えてくるものがありました。
この【趣味車にかける費用】が高いのか、安いのか・・・それは価値観によるものだと思いますが、ロードスターと過ごしている期間や所有満足度を振り返ると、金額以上に得るものはあったと感じています。
こんな私のNBロードスター維持費用、何かご参考になれば幸いです。
関連情報→