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ここ近年のエネルギー高騰

2020年代のパンデミック以降、欧州・中東情勢を起点にした流通・経済の不確定要素から様々な物価に影響が出ています。スポーツカーで燃費を語るのはナンセンスかもしれませんが、維持コストという点を鑑みれば、給油ごとに財布が軽くなるのは考えものです。
オイルショック前はさておき、90年~00年代のガソリン価格は「リッター120円」を下回る(100円を切ることもざらにあった)こともありました。しかし、ここ数年はかのリーマンショックや東日本大震災などの時に見た「リッター160円」を平気で上回るようになりました。日本政府はガソリン高騰をうけリッター当たりの補助金を出していましたが、補助金が無ければ「リッター215円」になっていた模様です。

2025年4月には「リッター187円」と最高値を更新しましたが、それをピークに年末あたりからガソリン価格の下落が始まりました。
これは原油価格の下落と政府の補助金増額・税制変更(暫定税率廃止に伴う移行措置)が重なったからです。12月末の暫定税率廃止によるパニックを防ぐための補助金調整が、年末年始の価格安定、つまりソフトランディングに繋がっているようです。(※現在進行形で下落が続いており、比較的燃料費の安い埼玉国道沿い(大宮近辺)ではリッター138円台(2026/1)になっていてビビりました・・・)
なお、現時点で世界の燃料費を比較すると(2022/6 → 2026/1)北米のガソリン価格は円換算で180円→152円。欧州は380円→270円、香港では400円→557円になるそうです。日本って意外と恵まれているようですね。ちなみに安い地域ではイランが4.5円、ベネズエラが6円、クウェートが51円、マレーシアが69円となっています。
さておき、ここ20年のガソリン平均価格を140円とすれば、一時期つけていたリッター170円は約20%の上昇でした。補助金なしの215円で計算すれば実態は約54%の上昇率。燃料費が1.5倍になったら、よりクルマに乗る頻度が下がりそうです。まぁ、現行車両はネオクラシックの倍くらい燃費がいいので問題ないのかも知れませんが・・・
歴代ロードスターの燃費を確認する
燃費を語るのはナンセンスなスポーツカーであっても、かかるコストは認識しているだけでも違います。そこで「平均燃費」で信用できるデータは、いわゆる実燃費。SNSサイト「みんカラ」にて歴代ロードスターの燃費を調べてみると、以下のような結果が出ていました。
| ロードスター実燃費(2026年1月時点) | |||||
| レギュラー (km/l) |
ハイオク (km/l) |
カタログ燃費 (km/l )※参考値 |
航続距離 (km)※理論値 |
タンク容量 (l) |
|
| NA | 10.50 | 10.43 | 12.0 | 504.0 | 48 |
| NB | 11.46 | 11.02 | 13.0 | 550.1 | 48 |
| NC | 10.48 | 11.32 | 12.6 | 566.0 | 50 |
| ND | 14.79 | 15.9 | 16.8 | 636.0 | 40 |
| NDRF | 13.9 | 14.55 | 15.8 | 715.5 | 45 |
(参考:みんカラ 車種別燃費(投稿)/マツダ・ロードスター)
歴代ロードスターの実燃費はトランスミッション形式や排気量、グレードの違いによって微妙に差がありますが、(失礼ながら)意外なことにカタログ値に近しい数字が出ていました。※上記カタログ燃費は標準車をベースに記載しています
また、タンク容量に実燃費を掛けると理論上の航続距離が導き出せます。もちろん街乗りや峠、サーキットなど「走り方」によって燃費は変動するのであくまで参考値となりますが、愛車のポテンシャルを知る指標になるのでしょう。

面白いのはNDロードスター(幌)のタンク容量で、ここでも「軽量化」がおこなわれていることです。NCと比較してマイナス10リットルといえばマイナス10kgとイコール、かなりの軽量化に貢献していますよね。それでもネオクラ勢(NA/NB)よりも航続距離が見込めるのは、スカイアクティブエンジンの恩恵でしょう。本気の燃費走行をおこなえばリッター20kmも可能だとか!
なお、NB後期型(1800cc:BP-VE)以降のロードスターはハイオクガソリン指定になっていますが、ハイオクが入手できない際の緊急回避手段として、レギュラーガソリンで走ることも可能です。
ただし、パワー低下やノッキング(異常燃焼による異音・振動)などのエンジン寿命の低下につながるのでお勧めはできません。上記実燃費にNC/NDのレギュラーガソリンの項目はありますが、むしろ燃費は下がっているるので、クレバーな手段とはいえないでしょう。
さて、あくまで数字遊びではありますが、NA/NBの現役時代だった2000年と2026年において、満タンで支払う金額の参考値を出してみると、下記のような計算になります(ハイオク指定なので+10円の単価で計算しています)。
| タンク容量 (l) |
ガソリン単価A (円)※2000年 |
ガソリン価格A (円) |
ガソリン単価B (円)2026年 |
ガソリン価格B (円) |
B-A 差額 |
|
| NA | 48 | ¥100 | ¥4,800 | ¥156 | ¥7,488 | ¥2,688 |
| NB | ||||||
| NC | 50 | ¥110 | ¥5,500 | ¥166 | ¥8,300 | ¥2,800 |
| ND | 40 | ¥4,400 | ¥6,640 | ¥2,240 | ||
| NDRF | 45 | ¥4,950 | ¥7,470 | ¥2,520 |
毎回タンク容量いっぱいまで給油することは少ないので、実際の現場において単価100円時代(ガソリン価格A)と単価156円(ガソリン価格B)の差額は2000円前後になると思います。この金額の差が大きいか少ないかは価値観によって違いますが、塵も積もれば何とやらです。
ロードスターを買い替えたほうが得なのか?
ガソリン単価が上がったから、燃費のいいクルマに乗り換えるというのは環境にも優しいし、経済効果からいえば素晴らしいことです。
しかしロードスターに関しては、世代によっての基本的な「乗り味」は変わりません。デザインや性能などで「これ」といった理由があれば問題ありませんが、「燃費」だけで判断するのは早計かも知れません。そこで、ひとつの目安としてシミュレーションを行ってみましょう。(※ざっくり計算なので、諸経費は割愛します)
| ロードスター平均中古車相場(2026年1月時点) | ||
| 販売相場(万円) | 買取相場(万円) | |
| NA | 185.5 | 64.0 |
| NB | 99.8 | 40.0 |
| NC | 116.3 | 80.0 |
| ND | 252.6 | 129.0 |
| NDRF | 261.1 | 148.6 |
(参考:カーセンサー 上記相場はあくまで目安、振れ幅は安値で記載しています)
これは2026年1月時点のロードスター平均中古車相場です。新車乗り換えだとより経費が乖離するので、その前提で計算を行います。
私はNBロードスター乗りなのでNBを起点にすると・・・買取相場は「40万円」。そこからNDロードスターの平均中古車「252.6万円」への乗り換え差額は「212.6万円」になります。いやいや、平均値じゃなくて最安値でしょ!となると、現時点でのNDロードスターの最安値は「105万円(差額65万円)です。
年間走行距離を7,000kmとして実燃費で割り算をすると、必要なガソリン量はNBロードスターで610リットル、NDロードスターが440リットル。もちろんレギュラーとハイオクの指定違いもあるので、それを見越して燃料購入費の差額を計算すると「22,206円/年」になります。
| 年間走行距離 (km) |
必要ガソリン量 (l) |
燃料単価 (円) |
燃料購入額 (円) |
差額 (円) |
|
| NB | 7,000 | 610.8 | ¥156 | ¥95,288 | |
| ND | 440.3 | ¥168 | ¥73,082 | ¥22,206 | |
| 60系プリウス | 250.0 | ¥156 | ¥39,000 | ¥56,288 |
維持費、保険費用、リセールバリューを計算すれば、おそらく差額はもっと詰まりますし、また、古いクルマは安全性能でも地球環境にも厳しいので、今後はその分のコストが課せられていく可能性もあります。
しかし、少なくとも燃費の差額だけでみると212.6万の差額を埋めるには「95年」、最安値の差額65万円を埋めるのも「29年」かかるようです。仮に、燃費だけの視点でNBからNDの乗り換えによる採算分岐点は2055年以降。これって、私は免許返納をしている年齢です・・・

別視点で考えると、10年で蓄積される差額は「約22万円」になるわけで、それを踏まえると買い換えよりも、愛車のメンテナンス費用に回した方が経済的であると、個人的に考えてしまいます。繰り返しますが、あくまで数字遊びです。ただ、燃費だけの観点では「乗り換えなくてもいいかなぁ」という根拠になるデータでもあります。
ちなみに現行60系プリウスとNBロードスターで計算すると、燃費差額は「56,288円/年」。10年で56万違うなら・・・なんて思えなくもないですが、燃費と「乗り味」を比較するのは難しいものがありますね。それでも、クルマの維持コストはかからないほうが助かることは間違いありません。
そこで、いくつか参考記事をご紹介して、今回のトピックを閉めたいと思います。
ロードスター、維持コストに関わるトピック

ロードスターの燃費改善(エコドライブ)
https://mx-5nb.com/2020/07/02/fuel-economy-driving/

ロードスターにエコタイヤ
https://mx-5nb.com/2019/12/22/eco-tire/

ロードスターの暖機運転
https://mx-5nb.com/2020/06/01/warm-up-operation/

「重さ」と「燃費」の相関関係
https://mx-5nb.com/2024/11/11/fuel-economy/

NBロードスター 一年間の維持費(2025年版)
https://mx-5nb.com/2026/01/05/year_maintenance-fee/

ロードスターにアーシングを行う
https://mx-5nb.com/2020/07/23/car-earthing/