トミカのロードスター(レストアver2)

トミカのロードスター(レストアver2)

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オークションやホビーショップで、どうしても見逃せないジャンクコーナー。誰かにとってはゴミだけど、たまにお宝も混ざっているのです。特に、手のひらに乗るトミカサイズ(約1/64)のダイキャスト製ミニカーは小サイズならではのアレンジが効いていて、少し手を加えるだけで見違えるのです。

そこで今回は、3台ほどレストアをしてみました。

トミカ「アバルト124スパイダー」の再塗装

 
いきなりロードスターではありませんが、NDの兄弟車ということで・・・初回限定生産品のラリー仕様のアホみたいなプレミア価格は落ち着きましたが、実車と同じくトミカラインナップからカタログ落ちしてしまった「アバルト124スパイダー」。

トミカでは特徴的なボンネット/トランクをラッピングした「ヘリテージルック」仕様で発売されました。なお、ミニカーでは黒い塗装部分は実車と同じく艶消し処理されていて、アバルトエンブレムもプリントされている凝った仕様になっています。

 
そんな124スパイダーをホビーショップのジャンクコーナーにて約200円(税込)で入手。折角の艶消しボンネットは手油でギトギト・・・

 
角は塗装剥げ、削れが多数。幸いだったのは、ボディの「白」が生きていたことで、磨けばなんとかなりそうです。そこで、この子はタッチアップ処理で対応することにしました。


私がタッチアップのメインに使っているのはエナメル塗料になります。塗料の伸びが良く、はみ出た塗料の修正が容易だからです。また、個人的にお勧めするのはタミヤの面相筆「超極細」で、細かい「描きこみ」を行う時に大活躍します。


また、折角タッチアップを行うならヘッドライトの描きこみをお勧めします。トミカサイズだと、コストの都合で「銀色一色」になっているヘッドライトですが、実車を確認すると凝ったディティールになっているからです。近年のクルマの目は、意外と「黒い」んですね。


そこで、自分のできる範囲でディフォルメを決めて、ひたすら描きこんでいきます。本当はシートバックを「赤」に塗りたかったのですが、ボディを分解しないと筆が入らなかったので見送りました。ストレスない範囲で作業を行うことも大切です。


また、全体の艶を統一するためにマスキングを行い、ボディ面はグロス(艶あり)、幌はフラット(艶消し)のトップコートを行いました。これにより、タッチアップした塗面が保護もされるので(ビデオゲームのセーブ機能のようなもの)安心です。


修正後のアバルト124はこちら。細かいところでは、ウインカー、フォグ、バンパーダクト、マフラーなども描き込んでいます。ボンネットもあえてそのままグロスにしています。


また、幌を艶消しにすることでいいアクセントになったのではないでしょうか(自画自賛)。

NA/NDロードスターの再塗装


次はみんな大好きNA/NDロードスターです。NDロードスターはトミカですが、NAロードスターはトミカではなく香港のモーターマックス社より発売された「MX-5 MIATA」です。ミアータなので左ハンドルなのが特徴ですね。写真はファイアーパターンになっていますが、ノーマルなものも含め、様々なカラーバリエーションが存在しています。

 
こちらの2台はオークションで入手。送料込みでふたつ合わせて400円くらいでした。見ての通り塗装はボロボロになっているので、レタッチで修復できるレベルではありません。ミアータの方はフロントガラスも破損しているので、そのまま廃車ジオラマにおいても似合いそうです。どちらにせよ、これらは全塗装で対処することにしました。

 
まずはミニカーの分解をしていきます。裏面にカシメてある車体上下のリベットを、ピンバイスで破壊していきます。パーツセパレーターがあると、作業効率が上がります。


分解された状態はこんな感じです。少ないパーツでロードスターの特徴を捉えている事が分かりますね。でも、ミアータの内装はなんでグレーなんだろう・・・!?(モーターマックスのロードスター共通仕様)

 
ここからは、ホームセンター入手できるリムーバーで塗装を剥がしていきます。筆塗りをしてしばらく経つと・・・塗料が浮き上がります!

 
ただ、細かいディティール部分に入った塗料はなかなか剥がれないので、リムーバーを塗布したあと歯ブラシや楊枝で奇麗にしていきます。この段階で手を抜くと、再塗装した時にポロっと塗装が剥がれてしまうので、頑張ります。

 
ダイキャストの質感がなかなか良く、このまま磨いてもカッコイイアクセサリーになりそうですね・・・また、NAの右リトラクタブルヘッドライトのラインが甘かったので、模型用先細ヤスリでディテールを掘り直しました。これらの作業がひと段落したら、金属塗装の下地になるメタルプライマーをボディに塗り、乾燥させます。

 
その後、さらにホワイトサーフェーサーを下地にして、ボディカラーの塗料を乗せていきます。実は、今回いちばん悩んだのがここで・・・ロードスターはカラーバリエーションが豊富なので、何色にするか迷うんですよね。

結局、NAはマリナブルーっぽい色、NDはディープクリスタルブルーマイカっぽい色にしてみました。もちろん一回で色は乗らないので、薄拭きを3回ほど繰り返しました。また、数日寝かせた後にグロスのトップコートを吹いていおきます。

 
同じく内装の塗装も行います。ウルトラ正確にいうと、ミアータのVS内装にマリナブルーは存在しないのですが、ご愛敬ということで・・・また、折角なのでNDの内装はホワイトセレクションっぽい色にしてみました。実はこれ、グレーのサーフェーサーを塗っただけです。また、ホワイトセレクションの幌はシルバートップっぽく明るい色かと思ったら通常の黒だったので、あとで塗り直しています。


折角なので、細かいディティールを面相筆で描き込みます。ミアータのステアリングはエアバッグ付きの4本スポークでナルディウッドではありませんので、黒が正解です。ヘッドライトやサイドマーカーなど「銀色」を描き込んだあと、もう一回グロスのトップコートを吹いて塗面をセーブしました。


さらに、NDロードスターもヘッドライトに表情が出ると見栄えが変わるので・・・


老眼と闘いながら、一生懸命描き込んでいきました。塗装が乾いたのち、さらにグロスのトップコートで艶々にしてあげます。

 
NDロードスターのフロントガラスは傷だらけだったのでコンパウンドで磨いたのち、Aピラーブラックを描き込んでいきました。


最終処理を終えたパーツたちがこちらです。ミアータのフロントガラスを作ろうと、ペット素材(お弁当の蓋)でチャレンジしたのですが、フィッティングが上手くいかず、断念しました。ストレスなく作業できる範囲ということで・・・あとは、分解と逆の手順で組みつけていきます。


レストア完了した2台がこちら。NDロードスターのシートがさりげなくグレーになっているの、分かりますでしょうか?ミアータは物理的なフロントスクリーンが無くても、心の中で「見える」気がしてきました。まぁ、誰かにあげるわけじゃないから良しとします。


リアからはこんな感じです。拡大写真だと粗が目立つけれど、実際は手のひらサイズなので可愛い感じです。ミアータの解釈が日本の造形(※トミカのNA)と違って、なかなか面白いです。

レストアまとめ


幸いなことにロードスターはミニカーに恵まれていて、様々なバリエーションを入手することが可能です。

そこで自分仕様が見つかればなお嬉しいのですが・・・商業ベースに乗らなさそうなマイナーなものはなかなか販売されません。でも、ジャンクコーナーを見渡すと、こんなに一杯お宝が眠っているんです!


たかがミニカー、されどミニカー。手のひらに乗る、自分好みのロードスターもなかなか乙なものですよ!機会があればチャレンジをお勧めします!

関連情報→

トミカのロードスター(レストア)

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