NBロードスターの新聞広告

NBロードスターの新聞広告

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自宅のアーカイブを掘り起こしていたら、約20年前の「新聞記事」と「織り込みチラシ」が挟まれたスクラップブックを発見しました。(まさにこのサイトのための情報で、よくこんなものを残していたな・・・と感心しました)

2000年当時はインターネットはADSL回線として普及はじめていたけれどISDN回線も混在しているので、メインストリームになる直前でした。したがってクルマ趣味の情報は専門誌が中心で、新聞やテレビなどの媒体にちょっとした記事が載るだけでも嬉しい時代でした。

正直、残っていた記事は保存状態が悪くノイズ交じりで恐縮なのですが、雰囲気がお伝えできれば幸いです。

~1999年代


ロードスター10周年記念MTG記事

当時は全国各地に地元クラブチーム(愛好会)が設立され、ミーティング文化がまさに花開いていた時期でした。そのようななか、全国の主要クラブとメーカーが連携して、桁違いの約1000台というロードスター(同一車種)が三好に集結したことは、大きな話題になりました。記事にはロードスター開発リーダーの平井主査や貴島主査だけでなく、マーク・フィールズ氏(のちにフォードCEO就任)やマーティン・リーチ氏(のちにマセラティCEO 2015年没)の名が連なっている豪華な内容です。


ロードスター ギネスブック認定
今やロードスターも100万台でギネスブック認定されていますが、NB1ロードスターの時代には「世界一売れているオープンカー」としてギネスブック登録されることが決定されました。ライトウェイトスポーツのベンチマークに認定された、記念すべき定量的情報です。

2000年~


NB2デビューチラシ
新聞の折り込み広告として配布された、NBロードスターの「NB2」マイナーチェンジ・デビューのチラシです。それまで見たことのなかった水色のボディカラー、クリスタルブルーメタリックは先進的かつスポーティで、フェイスリフトして精悍になった顔つきとともに、かなりのインパクトがありました。価格も驚きの183.9万円から!

参考)https://mx-5nb.com/2019/11/28/crystalblue/


RX-7&ロードスター紹介チラシ
当時のマツダはスポーツカーを2台提供していた、驚きのラインナップ掲載広告です。ロードスターもさることながら、新車のRX-7(FD)が300万円を切っていたいい時代でした。なお、ロードスターはあくまでライト層向けで、本当のマツダ乗りはロータリーであればこそ・・・という風潮がありました。

参考)https://mx-5nb.com/2019/12/21/second-flag/


NBロードスター YSリミテッドチラシ
若者にも手が届きやすい「Youthful Sports」というコンセプトで販売された限定車「YSリミテッド」は、これまた驚きの価格である179.7万円。なお、YSリミテッド独自のブラックアウト加工されたヘッドランプは、現在でも人気のモデファイパーツになっています。


NBロードスター「MVリミテッド」記事
「MVリミテッド」は、デザインに針を寄せた限定車です。その特徴でもあるチタニウムグレーメタリックとブラウン内装をカラー写真で掲載している秀逸な記事になります。なお、この色味はNCロードスターのテーマカラーを経て、NDロードスターRFにも引き継がれた定番のコーディネートです。

参考)https://mx-5nb.com/2020/02/04/mx5-gray/


マツダスピードロードスター記事
消滅したかに思えたけれど、ファン待望のブランド復活を遂げたマツダスピード。その名前を冠してファミリアセダンとNBロードスターのチューニングモデルが発表されました。なお、マツダスピードロードスターが正式名称ですが記事では「マツダ」が省かれて、「スピードロードスター」と記載されているのが面白いところです。このネタ、いまだ誰にも通じません・・・

参考)https://mx-5nb.com/2020/04/06/mps-all/


NBロードスター・ローンチラシ
憧れのロードスターが頭金なし月1万円で乗ることができる!(ボーナス払いは別途)といった内容です。実は当時、この広告を「1600㏄じゃないか」と冷ややかに見ていましたが、NBで一番売れたのはテンロクモデルであり、私自身も現在その恩恵を受けているので・・・見事にブーメランが返ってきていることを実感する広告です。

2002年~


NB3発表・新聞記事1
排ガス規制に対応したNB3ロードスターのデビュー記事です。テーマカラーの「スプラッシュグリーンマイカ」がカラー掲載され、テンションが上がったことが記憶に残っています。しかし、人気色だったNB2ロードスターの水色(クリスタルブルーメタリック)とは正反対で、結果的には超不人気色(レアカラー)になってしまいました。

参考)https://mx-5nb.com/2020/04/17/splash-green/


NB3発表・新聞記事2
同じくNB3のデビューの記事です。VSコンビネーション系のグレードが設定された記載がありますが、ロードスター乗りでなければ全くイメージが湧かない説明なのが逆に熱い内容です。なお、カタログのベースグレードは価格据え置きの183.9万円でした。(※WebTunedはもっと安い)


NBロードスター「SGリミテッド」記事
走りのグレード(RS&NR-A)をベースに専用架装をおこなう、実はとってもお得な仕様で発表された限定車「SGリミテッド」のデビュー記事です。しかし、このクルマは最後まで売れ残ってしまって、のちにディーラーチラシの片隅に大特価で掲載される運命をたどります。しかし、現在はオーナーに愛されるロードスターとして存命率が高い面白い限定車です。

2003年~


マツダ・カスタムカー生産記事
今では絶対にありえない「大量生産は望めないが、ニッチ市場のためにカスタムカー事業を行う」という衝撃の内容です。それくらい、当時のカスタムカー文化にはイケイケな火が付いていて、NAロードスターからの悲願であったクローズドクーペの生産にGOサインが出ることになりました。


NB「ロードスタークーペ」デビュー記事
ついに販売開始した「ロードスタークーペ」。モデル末期だったNBロードスターの不人気と、強気な価格設定とにより結果はさんさんたるものでしたが、市場流通が少なすぎることから今やクーペは中古車市場で高騰をしています。

参考)https://mx-5nb.com/2020/08/10/coupe-all/


NB4ロードスター&クーペチラシ
NB4ロードスターのテーマカラー「チタニウムグレーメタリック2」と、ロードスタークーペ(タイプA)が並んで掲載されている広告です。DHT(ハードトップ)はオプションという記載があるとはいえ、クーペボディっぽいロードスターが185万円と記載される横に、純然たるクーペが310万円というのは、あまり上手い掲載方法ではない気がします・・・なお、当時はRX-8もデビューをしていて、新進気鋭のロータリースポーツは約240万円から買えたという・・・


NB「ロードスターターボ」記事
モデル末期にてまさかの、そして待望の追加グレード!ロードスターMPSは実現しなかったけれど、ターボモデルの販売が行われました。しかも価格はRSグレード+αの257万円というバーゲンプライス!これは、量産効果の見込めないクーペとは違い、北米仕様「Mazdaspeed Miata」の恩恵によるものです。なお、マツダ謹製B型エンジンにターボが搭載されたのは、この「ロードスターターボ」のみです。


ロードスターターボ&クーペチラシ
現在は両車ともレアすぎてなかなかお目にかかることがないですが、極上の状態であればこの広告価格をはるかに超え、プレミアになっているのが恐ろしい。ロードスタークーペのキャッチフレーズ「世界でも希少な2シータースポーツクーペ。」はその通り、国産最後の5ナンバークーペになりました。



マツダ宇品工場火災記事
マツダファン誰もが衝撃を受けた工場火災の一報。幸い人的被害はありませんでしたが、工場再開は基幹車種を優先することから始まり、完全にモデル末期になっていたNBロードスターは、記事に掲載すらされていません。この結果としてロードスタークーペは生産中止となり、NBロードスター自体も国内では忘れられる存在になっていくのでした。

情報が少なかった当時、NBロードスター末期は「ロードスターはもう終わりだな・・・」という雰囲気すらあったのですが、この後カーオブザイヤーを獲得することになるNCロードスターのデビューや、現在不動の人気を誇るNDロードスターへ歴史は繋がっていくのでした。

そんな歴史の一部を、今回はご紹介させていただきました。

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